宮沢賢治と石
~物語に登場する石~
小学校時代から鉱物採集に熱中し、家では「石っこ賢さん」と呼ばれてた宮沢賢治。
その作品のなかにはさまざまな鉱物が登場し、読者の想像力をかきたてます。
鉱物を愛し、土壌学の専門的知識をもつ賢治は、鉱物による独特の表現を
作品にちりばめています。
たとえば
マラカイト(孔雀石):植物や湖水などの緑の自然物を表すほか、
「春と修羅」:空の描写に用いています。
「銀河鉄道の夜」:主人公ジョパンニたちが着いた河原の小石として、
水晶やトパーズ、青白い光を出す硬玉、サファイアなどが登場。
野原で燃える火はルビーよりも赤くと表現しています。
また、賢治の心象を表す色とされる青い鉱物もよく登場します。
ラピスラズリの深い青が、すんだ青空を例える作品がある一方、
妹の死を悼む「オホーツク挽歌」では深い悲しみで見つめる波を瑠璃だと表すなど
その時々の心の様を、鉱物を通して豊かに伝えています。